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コラム

犬や猫をわざと驚かせるのはNG!ケガや体調不良のリスクを解説

伊藤 悦子
伊藤 悦子 家畜人工授精師 、ペット栄養管理士

人間が犬や猫をわざと驚かせて、目を丸くしたり飛び跳ねたりといった反応をアップする動画をSNSや動画サイトなどで見たことがあるのではないでしょうか。びっくりする様子は、人から見るとユーモラスでかわいらしいため、自分でもやりたくなるかもしれません。

しかし、驚いたことで犬や猫がケガをしたり体調不良になったりするなど、さまざまなトラブルの原因となる恐れがあります。

そこで、この記事では犬や猫をわざと驚かせたときのリスクを解説します。さらに、多くの犬や猫が驚きやすい出来事や対処法も紹介するので、安心して暮らすための参考にしてください。

犬や猫がびっくりする動画が話題に

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猫がフードを食べている途中で、後ろにキュウリが置いてあるのに気づいた途端、びっくりして飛び跳ねた動画が話題になりました。

注目を集めたのは、驚く猫がかわいいだけでなく、人の予想を上回るジャンプだったという理由もあるでしょう。また、人間には珍しくもないキュウリに激しく反応するのも面白かったのかもしれません。

猫が驚いた理由は「蛇に見えたから」「床にあるはずのないキュウリがあったから」などが考えられるようです。

再生数が多く話題になったためか、真似をして猫を驚かせる動画が投稿されました。その他、いろいろないたずらを仕掛けて、犬や猫をびっくりさせる動画がアップされています。

犬や猫を故意に驚かせるのはNG

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動画が面白そうだと思ったとしても、犬や猫をわざとびっくりさせるのはやめましょう。ケガや体調不良などを招くリスクがあります。

ケガをする恐れ

びっくりした拍子にケガをする恐れがあります。多くの犬や猫が飛び跳ねたり、急いで立ち去ろうとしたりするでしょう。

これは、できるだけ早く見慣れないものから離れようとする「驚愕反応」です。とっさの行動なので、周囲の状況は目に入りにくくなります。

そのため、家具にぶつかったり床で滑ったりしてケガをするリスクが高まるのです。犬の場合、屋外だとリードが外れてどこかに行ってしまうかもしれません。

体調不良になる恐れ

「驚き」が体調不良を招くリスクがある点も注意が必要です。特に「心臓がもともと悪い」など持病のある犬や猫にとっては、「びっくりしたこと」が悪化につながるとも考えられます。

わざと驚かせた例ではないものの、入院中の猫が大きな音にさらされるとストレス指標が高かったという研究論文があります。ストレスは食欲不振や嘔吐、下痢などの原因にもなると考えられています。

飼い主さんがケガをすることも

驚いたことで興奮し、近くにいた人を意図せず咬む場合があります。猫の場合は、爪を立てて引っかいてくるといったケースも考えられます。犬が急に走り出して、リードを持つ手を傷めたり転んだりする恐れもあるでしょう。

飼い主さん自身もとっさのことで制御できない恐れがあり、危険です。

不信感を抱くなど信頼関係が揺らぐ

飼い主さんがわざと驚かせてくるといった行為が繰り返されると、犬や猫との信頼関係が崩れる可能性も高まります。本来は、犬も猫も安心できる環境の中で飼い主さんと暮らしているはずです。

それなのに「突然何か嫌なことをしてくる飼い主」と認識されると、そばにいてもリラックスできなくなってしまいます。人間でも、一緒に暮らしている人が「いつ自分をびっくりさせてくるかわからない」となると、落ち着いて暮らせないのではないでしょうか。

さらに、「飼い主さんが呼んでも来ない」「フードを手から食べない」など、警戒が強まる恐れもあります。

犬や猫が驚く出来事を知っておくのも大事

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人間が驚かすつもりはなかったのに、犬や猫にとっては怖かったり予想外だったりする出来事があります。個体差はあるものの、次のような事柄が突然生じるとほとんどの子が驚きます。なるべくショックを受けない対策も必要です。

打ち上げ花火や雷など大きな音や光

大きな音がするだけでなく、明るい光を伴う打ち上げ花火や雷は、多くの犬や猫が苦手です。花火大会がある日や雷予報が出ている日は、少しでも影響を及ぼさないように対策をしておきます。

例えば、「雨戸やカーテンを閉める」「音楽をかけておく」「飼い主さんが一緒に遊ぶ」などがおすすめです。逃げられる場所として布をかけたクレートなどを用意しておくといいでしょう。

飼い主さんが雷を一緒に怖がると不安になるので、いつも通りに過ごすようにします。

注意したいのは「花火大会に犬や猫を連れて行かない」こと。予想できない大きな音と光を伴う花火は、人間にとって楽しくても犬や猫にとっては怖いものです。人も多く興奮しやすいため、びっくりした拍子にリードが外れて迷子になる恐れもあります。

人間の高い声や大きい声

人間が突然発する甲高い声や大きい声も苦手です。小さなお子さんがはしゃぎながら急に近づいてくると、怖がったり唸ったりすることもあります。

大人であっても、手を叩いて大声で笑う、大きなくしゃみをするなどもびっくりするはずです。「くしゃみくらいで」と思うかもしれませんが、驚いたことがきっかけでその人が嫌いになる猫もいます。

小さな子には「びっくりするから静かな声で近づく」と教えてあげるといいでしょう。必ず大人がつきそうことも大切です。

シェルターに入る猫にとって、他の動物の声や人間の声は恐怖行動を引き起こす傾向があるという研究結果もあります。

怒鳴る・叩くなどの罰

いきなり怒鳴ったり叩いたりといった罰は、驚くだけでなく、恐怖を感じる出来事です。それだけでなく、信頼や絆に悪い影響を与える恐れも大きいといえます。

犬や猫が「悪いことをしたから怒鳴られた」「いたずらをしたから叩かれた」といった因果関係を理解するのは難しいものです。

例えば、夜中に猫がトイレ以外で排泄したのを、朝になって飼い主さんが見つけて怒っても「なぜ怒られたか」は理解できません。

犬の場合、クッションをボロボロにしたあと震えているときがありますが、これは人間の怒っている表情や「あー!」という声を聞いた反応だと考えられます。

猫が粗相をするなら、まずトイレの環境を見直し、それでも改善しない場合は病気が原因のこともあるため受診することも大切です。犬がクッションをいたずらするなら、できない環境を作ります。

つまり「怒らなくてすむ環境を作ること」が、飼い主さんにとっても犬や猫にとっても快適だと考えましょう。

知らない人にいきなり触られること

散歩中や家に遊びに来た人に突然触られるのも、犬や猫にとってびっくりする出来事です。特に猫は、知らない人に対して警戒します。その場から逃げ出すだけでなく、場合によっては咬んだり引っかいたりして相手にケガをさせる恐れもあります。

犬の場合は散歩中に知らない人が近づいてきたら、リードを短く持つか抱き上げるかして、触れないようにしましょう。家にお客さんが来た場合は、突然触らないようにお願いしておきます。

子犬や子猫のうちに、いろいろな人に会って慣れておくことも大切です。ただし成犬・成猫の場合は無理強いしないようにします。

まとめ:犬や猫をびっくりさせないために

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犬や猫をわざとびっくりさせるのはやめましょう。びっくりした拍子にケガをしたり、体調不良を招いたりする恐れがあるためです。飼い主さん自身もケガをするリスクがあります。さらに信頼関係を損なうことにもつながりかねません。

また、日常生活の中で人間にとってはたいしたことがなくても、犬や猫にとっては驚きや恐怖につながる出来事もあります。花火や雷などの大きな音や光、人の大きな声や甲高い声、知らない人から突然触られることなどです。なるべくショックを受けないように、できる限り対策をとっておくとストレスも少なくなります。

「犬や猫のびっくりした顔が見たい」は人間の勝手な願望です。犬や猫にとって大切なのは、飼い主さんのそばで安心して暮らせることです。故意にびっくりさせるといった行動はせず、くつろげる環境を作ってあげましょう。

関連リンク

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