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コラム

ペットブームの裏側を知っていますか?売れ残った動物たちの行く末

Aya
Aya シェリー編集部

ペットショップのショーウィンドウに並ぶ子犬や子猫たち。動物好きな人にとっては微笑ましい光景かもしれません。しかし、その背景には、見過ごされがちな問題が存在するのも事実です。

今回は、人間が生み出したペットブームと、その影響を受けて厳しい状況に置かれる動物たちについて紹介します。

シベリアンハスキーブームが残したもの

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「ペットブームが来る度に、危機感を覚える」と、ある動物保護団体関係者は言います。その理由はブームで飼育頭数が増えることにより、捨てられる動物も増えるためです。

1990年前後、日本ではシベリアンハスキーが大きな人気を集めました。シベリアンハスキーは元来ソリ犬で体力があり、多くの運動量を必要とします。また独立心が強い性質から、初心者にはしつけが難しいとされることもありました。

運動不足によるストレスや十分でないしつけから、問題行動につながるケースもあったとみられます。

犬種の特徴を知らないまま飼い始めた人が飼育を続けられなくなり、当時はハスキーの飼育放棄が社会問題として取り上げられることもありました。

猫人気とペット産業の課題

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近年、犬の飼育頭数は減少傾向にある一方、猫は緩やかに増加し、現在では猫の飼育頭数が犬を上回っています。

しかし一部の業界からは、この猫人気を懸念する声もあります。その理由は、「猫は犬に比べて収益性が低い」と見られているためです。

実際、アニコム損害保険株式会社の2024年の調査によると、ペットにかける年間費用は犬が約41万円、猫は約18万円と、犬は猫の2倍以上となっています。

また、ペットの入手先についても、犬では「ペットショップ」が中心であるのに対し、猫では野良猫の保護や譲渡による迎え入れが多く、ペットショップでの購入は相対的に少ないとされています。

つまり、猫は1頭あたりにかける費用が少なく、販売を通じた取引も生まれにくいことから、一部の人たちにとっては「利益につながりにくい」と捉えられているのです。

高齢者への情報発信と飼育放棄の課題

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犬の需要拡大を期待する一部の業界では、高齢者に向けて「犬を飼うことで健康寿命が伸びる」といった情報が発信されることもあるようです。実際、犬を飼うことが高齢者の心身の健康によい影響を与えるという指摘もあります。

一方で、飼い主の高齢化に伴う飼育の継続が難しくなる問題も見過ごせません。一部の動物保護団体からは、飼い主の高齢化により飼育が困難になり、手放されるケースが目立つという声も上がっています。

犬がもたらす健康効果に期待が集まる一方で、飼い続けられなくなったときのリスクまで併せて伝えているかという、伝える側の姿勢が問われます。

売れ残ったペットたちはどこへ

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少々古いデータですが、環境省が2010年度(平成22年度)に動物取扱業者を対象に実施した調査によれば、販売されずに売れ残る割合は犬で4.0%、猫で7.1%と報告されています。

売れ残った犬・猫の行き先としては、生産業者(ブリーダー等)や動物業者(小売・卸売業者等)への譲渡・販売が多く、犬・猫いずれもこの2つで約半数を占めています。

ただし、これは動物取扱業者への任意のアンケートに基づく結果であり、業界全体の実態を正確に反映したものとは限りません。

それに加え、行き場のない犬・猫が業者間で繰り返し転売され、最終的な行き先が把握しきれないという問題も指摘されてきました。

参考:
動物愛護管理基本指針の点検(第4回)について

「引取り屋」と呼ばれる業者の存在

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「引取り屋」とは、ペットショップやブリーダーなどから金銭を受け取り、売れ残った動物を引き取って飼育する業者を指します。その実態として、劣悪な環境で十分なケアも受けられないまま、狭いケージの中で生涯を過ごす動物がいると指摘されています。

ペットショップのように犬猫を販売する場合は「第一種動物取扱業(販売)」、ペットホテルのように金銭を受け取って預かる場合は「第一種動物取扱業(保管)」の登録が必要です。

2020年6月の法改正により、引取り屋のように動物を譲り受けることを業として行う場合も「第一種動物取扱業(譲受飼養)」の登録が必要になりました。

しかし、無登録での営業や届け出内容の偽装といった事例もあり、実態が把握しづらく行政が介入しにくいケースも指摘されています。

繁殖業者による犬の遺棄が問題に

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2012年9月5日に公布された改正動物愛護管理法(2013年9月施行)では、自治体が犬や猫の引取りを拒否できる場合が明文化されました。

犬猫等の販売業者からの引取りなど、引取りを求める相当の事由がないと認められる場合がそれに該当します。安易な引取りが殺処分につながるのを防ぐ狙いがありました。

2014〜15年に表面化した遺棄問題

しかしその後、新たな問題も指摘されています。2014年から2015年にかけては、繁殖業者による犬の遺棄とみられる事例が報道されました。

自治体による引取りの拒否も一因と指摘されており、不要になった犬を遺棄したり処分したりするケースもあるようです。

参考:
小型犬遺棄、全国で220匹 繁殖適さず不要に | 日本経済新聞

近年も続く繁殖犬の遺棄

こうした問題は近年も続いています。2024年には、徳島県の山中などで繁殖犬とみられる柴犬が相次いで遺棄され、2年間で20頭が保護された事例が報じられました。

背景には、繁殖の回数や年齢を制限する規制によって繁殖を引退した犬が業者の負担となり、遺棄につながっているとの指摘もあります。動物愛護のための規制が、皮肉にも遺棄を生む一因になっている可能性がうかがえます。

参考:
柴犬の遺棄、徳島で相次ぐ 声帯切られた個体も?取材で見えたペットビジネスの「闇」:朝日新聞GLOBE+

最後に

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動物を愛する人にとって、心が痛む内容だったかもしれません。ただ、こうした現実に対してまずできるのは、その実態を「知ること」です。

近年は、売れ残った動物のために対策を取る企業も出てきました。老犬ホームで終生飼育を行う、売れ残った動物の里親を探す、成長した犬に基本的なトレーニングをして販売するといった取り組みです。

こうした動きが広がってきた背景には、人々がペット産業の実態を知り、問題点を指摘し、動物愛護の世論を育ててきたことがあるのかもしれません。

関連リンク

犬・猫はどこからペットショップに来て、どこへ行くのか
https://cheriee.jp/articles/20853/
【2019年改正動物愛護法】犬猫の繁殖防止措置は、努力義務から義務に
https://cheriee.jp/articles/16505/
【殺処分ゼロ】日本とドイツで何が違うのか?
https://cheriee.jp/articles/19685/
保護団体から犬猫を譲渡してもらうためにすべきこと5つ
https://cheriee.jp/articles/6734/
実は簡単!犬・猫のボランティアに参加する方法を3分で解説
https://cheriee.jp/articles/2317/
国内ペット業界も少しずつ変わっている?CSRに着目して見てみよう
https://cheriee.jp/articles/21661/

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