その叱り方は逆効果かも!?犬に伝わる正しい叱り方のコツ
かわいい愛犬といえども、テーブルの上の食べ物を狙ったり、来客に喜んで飛びついてしまったりと、困った行動に悩まされた経験はありませんか?
そんな時、ただ感情的に叱るだけでは、なかなか伝わらないものです。実は、叱る時にはちょっとしたコツがあり、それを押さえるだけで愛犬への伝わり方が大きく変わります。
今回は、愛犬との関係を損なわない正しい叱り方のポイントをお伝えします。
叱る前に知っておきたいこと

愛犬がいけないことをした時、つい感情的になってしまいがちですが、ただ大声を出したり、くどくどと叱ったりしても、犬には伝わりません。
犬は人間の言葉をそのまま理解しているわけではありません。長々と話しかけても、何に対して叱られているのかが分からず、ただ嫌な思いをするだけで終わってしまいます。
叱る目的は、犬を反省させることでも力で従わせることでもありません。あくまで「これはしてほしくない」という飼い主の意思を、落ち着いて伝えることです。
そのため、叱る時は感情をぶつけるのではなく、いつも同じ態度で一貫して接することが基本になります。次の項目では、具体的な叱り方のポイントを見ていきましょう。
正しい叱り方のポイント

ここからは、実際に叱る時に意識したい3つのポイントを紹介します。どれも難しいことではなく、ちょっと意識するだけで愛犬への伝わり方が変わります。
その場ですぐに伝える
犬は、直前の出来事と結びつけてものごとを記憶する習性があります。そのため、いけないことをした時は、その場ですぐに伝えることが何より大切です。
たとえば、留守中のいたずらを後から見つけて叱っても、犬にとっては「今は何もしていないのに怒られた」という状況になり、理由が理解できません。叱るのは、あくまで行動が起きている、その瞬間だけにしましょう。
短く・はっきり伝える
「ダメ」「いけない」など、伝える言葉は短くはっきりとしたものにします。長々と話しかけても犬には伝わらず、かえって何が問題なのかがぼやけてしまいます。
ヘラヘラしながら言ったり、逆に感情的になりすぎたりすると、これも犬を混乱させる原因になります。落ち着いた低い声で、短い言葉を一度だけ。これがいちばん犬に伝わりやすい方法です。
同じ言葉で叱る
叱る時の言葉は、あらかじめ家族で決めて統一しておきましょう。ある時は「ダメ」、別の時は「コラ」や「やめて」とバラバラだと、犬はどれが叱られている合図なのか分からなくなってしまいます。
「この言葉を言われたら今の行動はいけない」と犬が理解できるよう、いつも同じ言葉を使うことが、しつけを定着させやすくするコツです。
叱った後のフォロー

叱った後は、いつまでも引きずらないことが大切です。犬がいけない行動をやめたら、それ以上は叱らず、すぐにいつも通りの態度に戻りましょう。叱り足りない気がしても、しつこく繰り返す必要はありません。
叱られた後の様子は犬によってさまざまです。しょんぼりする子もいれば、何事もなかったかのようにまた遊び出す子もいます。
遊び出すのを見ると反省していないように感じるかもしれませんが、これは悪気があるわけではありません。多くの場合、嫌なことがあったあとに気分を切り替えようとしています。叱った直後の行動だけを見て、態度が悪いと決めつけないようにしましょう。
また、叱られたあとに飼い主のそばへ寄ってくる子もいます。そんな時は普段通りに接し、優しく声をかけてあげてください。叱った分、きちんと愛情を伝えてフォローすることも大切です。
叱るより「させない工夫」が効くことも

ここまで叱り方を紹介してきましたが、そもそも叱る場面を減らせるなら、それがいちばんです。叱られる回数が少ないほど、犬も飼い主もお互いにストレスがありません。叱り方とあわせて、次のような工夫も取り入れてみてください。
いたずらできない環境をつくる
いたずらの多くは、犬の手が届くところに原因があります。叱る前に、まず環境を見直すだけで、いたずらそのものが起きにくくなります。
たとえば、次のような工夫があります。
- テーブルやカウンターの上に食べ物を置きっぱなしにせず、戸棚や冷蔵庫にしまう
- ゴミ箱はフタ付きのものにする、または犬の届かない場所に置く
- かじられたくない電気コードはカバーをつけたり、家具の裏に隠したりする
- 出しっぱなしにしがちなスリッパやティッシュ箱、リモコンなどは、使わない時は片付ける
- 入ってほしくない部屋やキッチンは、ゲートや柵で区切る
どれも特別な道具はほとんど必要なく、置き場所を変えたり、ひと手間かけたりするだけでできることばかりです。叱る回数を減らすためにも、まずは愛犬の目線で、手の届く範囲に気になるものがないか見回してみましょう。
やってほしい行動を教える
いけない行動をやめさせるだけでなく、代わりにしてほしい行動を教えてあげると、より効果的です。犬は褒められたり良いことがあったりした行動を繰り返すようになるためです。
たとえば、次のような形です。
- 来客に飛びついてしまう → おすわりして待てたら、お客さんに撫でてもらう
- 食事中にテーブルへ寄ってくる → 自分のベッドで待てたら、ほめておやつをあげる
- インターホンに吠える → マットの上で待てたら、おやつをあげる
- 散歩中にグイグイ引っ張る → 飼い主の横に並んで歩けたら、声をかけてほめる
- かじってほしくないものに近づく → 自分のおもちゃで遊べたら、一緒に遊んであげる
ポイントは、してほしくない行動が出そうな時に、その代わりになる行動を用意してあげることです。飛びつくより「おすわりして待つほうがいいことがある」と犬自身が学べば、自然とそちらを選ぶようになります。
叱って減らすだけでなく、好ましい行動をほめて増やしていくことも大切です。この両輪で、いたずらは少しずつ減っていきます。
唸る・噛むなどが見られたら

叱ろうとした時に、犬が唸ったり、歯を見せたり、噛もうとしたりすることがあります。こうしたサインが見られる場合は、無理に叱って従わせようするのは避けましょう。
唸りや歯を見せる行動は、それ以上近づかないでほしいという犬からの警告です。ここでさらに強く出ると、犬は追い詰められ、噛むという最終手段に出るしかなくなってしまいます。
このような時は、その場ではいったん距離を取り、犬を落ち着かせることを優先しましょう。そして、こうした行動が見られる場合は、自己流で対応しようとせず、早めに獣医師やドッグトレーナーといった専門家に相談することをおすすめします。
背景に不安や体の不調が隠れていることもあるため、専門家に見てもらうことで、根本的な解決につながりやすくなります。
まとめ

叱ることは、愛犬を怖がらせたり、力で従わせたりするためのものではありません。この行動はしてほしくないという飼い主の気持ちを、犬に分かるかたちで落ち着いて伝えることが目的です。
「その場ですぐに」、「短くはっきり」、「いつも同じ言葉」、この3つを意識するだけで、叱り方はぐっと伝わりやすくなります。そして叱った後はいつまでも引きずらず、普段通りに接してあげましょう。
さらに、叱る場面そのものを減らす工夫や、してほしい行動をほめて増やしていく関わりも、あわせて取り入れてみてください。叱ってばかりでうまくいかないと感じている方は、ぜひ一度、叱り方と日々の接し方を見直してみてはいかがでしょうか。
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