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コラム

猫の体はなぜ柔らかい?浮世絵師・歌川国芳も描いた骨格の仕組み

新野 伽留那
新野 伽留那 シェリー編集部

猫の体は、本当に柔らかいですよね。魅力的な柔らかい曲線のフォルムに、心を癒される方も多いのではないでしょうか。

実は、猫の柔らかさについて、あの有名な浮世絵師が描いた絵からそのヒントを読み取ることができます。

この記事では、江戸時代の浮世絵師・歌川国芳が描いた猫の絵をひもときながら、猫の体がなぜこんなにも柔らかいのか、その骨格や体の仕組みについて解説していきます。

歌川国芳は無類の猫好きだった?

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皆さんは、歌川国芳(うたがわ・くによし)という絵描きをご存じでしょうか。寛政9年11月15日(1798年1月1日)に生まれた、江戸時代末期を代表する浮世絵師の一人です。

歌川国芳は無類の猫好きとしても知られています。家には常に十数匹の猫を飼っていたと伝えられ、猫を描いた作品が多く残されています。

歌川国芳が描いた「あるユニークな絵」から、猫特有の「体の柔軟性」の謎に迫ってみたいと思います。

猫好きの浮世絵師が描いた騙し絵「猫の当字」

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猫を描いたなかでも、ユニークなアイデアで描かれているのが「猫の当字シリーズ」です。

一見、無作為にぐにゃぐにゃと猫が連なっているだけのような絵ですが、少し引いて見てみると、猫たちが「なまず」という文字の形になっています。他にも、「うなぎ」「かつを」「たこ」「ふぐ」などがあります。

Cats forming the caracters for catfish
(歌川国芳, Public domain, ウィキメディア・コモンズ経由で)

上の絵のように、全体で文字に見えるだけでなく、一匹一匹の猫もしっかりと猫らしい表情やポーズで描かれているのが、猫の当字のおもしろいところです。他の猫の絵ではあまり見ない構図で、一匹ずつ見ていくのも楽しく、飽きずに眺めていられます。

猫の当字は、猫本来の魅力である「しなやかな動き」がうまく生かされた作品です。これほど大胆な発想の中でも、自由自在に体を動かせる猫の身体能力には驚かされます。

柔らかさの秘密は「猫の骨格」

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猫の体はなぜこんなに柔らかいのでしょうか。

猫は、もともと短時間に集中して獲物を狩る動物のため、身体能力において持久力よりも瞬発力に特化してきたといわれています。

瞬発力を発揮するうえで、体の柔軟性も重要な役割を果たしています。上下運動の際や、獲物に飛びつくときなどにその柔軟性が活かされます。

俊敏な動きで獲物を狩ることや、天敵から身を守る生活に適応するなかで、柔軟な動きが可能な骨格に進化していったと考えられています。

猫の骨格には、大まかに次のような特徴があります。

鎖骨が小さく退化

猫の骨格の大きな特徴の一つは、鎖骨が非常に小さく、他の骨と関節でつながっていない「遊離鎖骨」であることです。

猫は肩甲骨が骨で固定されず、筋肉によって胴体とつながっており、鎖骨も遊離しているため、前足の可動域が非常に広くなっています。そのため、正面から見ると極端な撫で肩のように見え、前足を大きく自由に動かすことができます。

それに加え、肋骨が人間のように横に広がっておらず縦に細長いつくりになっているため、獲物である小動物を狙って狭いところに入り込んだり、通り抜けたりすることができるのです。

人間の場合、鎖骨が肩幅まであるため、肩幅より体を狭めることができません。

しなやかに動く背骨

猫は人間と比べて、胸椎は1個、腰椎は2個多くあります。猫の骨の総数は約244本にのぼり、人間の約206本と比べて40本近く多いことがわかっています。この差の多くは、背骨としっぽを構成する骨によるものです。

数が多い分、関節も増えるため、ひねったり曲げたりするときの可動域が広がります。

よく曲がる背骨に加え、四肢の関節や筋肉が衝撃を分散することで、猫は高いところから降りるときも静かに着地できるのです。

筋肉・関節の柔らかさ

猫が眠っているときやリラックスしているときにその体に触れると、少し心配になるくらいふにゃふにゃしています。

猫は関節や筋肉がしなやかに働くため、狭いスペースにも体を合わせて入り込みやすくなっています。

伸び縮みする皮膚

骨だけでなく、皮膚の柔らかさも猫の柔軟性に関係しています。猫のお腹の下あたりがたぷたぷとたるんでいるのを見たことがある方も多いのではないでしょうか。これは「ルーズスキン」と呼ばれるもので、皮膚に大きな余裕を持たせる役割があります。

このおかげで、体を限界までひねったり伸ばしたりしても皮膚が突っ張ることがなく、関節の広い可動域を妨げません。さらに、外敵との争いの際に体を動かしやすくするなど、防御にも役立つと考えられています。

最後に

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猫を飼っている人でも、普段の生活のなかでは意外とその詳しい仕組みまで知る機会があまりないかもしれません。

絵に描かれた猫は、ときに実物よりも猫らしく愛らしい姿を見せてくれます。

絵から猫を見ることで、見慣れた飼い猫のなにげない仕草が新鮮に見えてきたり、改めて疑問に思ったりすることもあるかもしれません。

この記事を読んだ飼い主さんの、飼い猫との生活がより豊かなものになれば嬉しいです。

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