【犬図鑑】ダックスフンドは毛の長さで性格が変わるってホント?
日本でも非常に人気のあるダックスフンド。一般的に明るく活発な性格とされていますが、毛質によって性格に違いがあるとも言われています。
今回は、ダックスフンドの歴史やサイズごとの特徴、性格の違い、さらに注意すべき「椎間板ヘルニア」について紹介します。すでに飼っている方も、これから迎えようと考えている方も、ぜひ参考にしてください。
ダックスフンドの歴史
ダックスフンドはドイツ原産の犬種で、その歴史は約600年前にまで遡ります。
ダックスフンドという名前は、ドイツ語の「Dachshund」に由来します。Dachs(ダックス)は「アナグマ」、Hund(フント)は「犬」を意味し、アナグマ猟で活躍していたことからこの名が付けられました。
ダックスフンドの短い脚と長い胴は、アナグマやウサギなどの巣穴に入りやすいように品種改良を重ねた結果、生まれた体型といわれています。
ちなみに、ダックスフンドとダックスフント、どちらの表記も間違いではありません。英語では「ダックスフンド」、ドイツ語では「d」が濁らないため「ダックスフント」となります。
ダックスフンドの体のサイズ
ダックスフンドの体のサイズは、大きい順に「スタンダード」「ミニチュア」「カニーンヘン(カニンヘン)」の3つに分類されます。
最も歴史が古いのはスタンダードですが、19世紀末ごろになると、キツネやウサギを狩るためにより小型のダックスフンドが求められるようになりました。その結果、小型のダックスフンド同士を交配させ、ミニチュアとカニーンヘンが誕生したと考えられています。
ちなみに、「カニーンヘン」はドイツ語で「ウサギ」を意味します。
日本ではミニチュアが最も人気があり、次いでカニーンヘンが多く飼われています。一方、ヨーロッパではスタンダードの人気が高く、現在も猟犬として活躍しています。
ダックスフンドの性格
ダックスフンドは「犬界の楽天家」とも称され、明るく元気いっぱいな性格の子が多いと言われています。
好奇心が旺盛で、遊ぶことや運動を好み、狩猟犬だった名残から穴を掘ったり、潜り込んだり、獲物を追いかける姿がよく見られます。
また、独立心が強く頑固な一面を持つため、しつけが重要だと言われています。幼い頃からしっかりとしつけを行わないと、なかなか言うことを聞かなくなる場合もあります。
ダックスフンドは毛質によって性格が違う?
「ダックスフンドは毛質によって性格が違う」と言われていますが、それはどうしてでしょうか。
ダックスフンドの毛質は「スムース」「ロング」「ワイヤー」の3種類に分類されます。この違いは、交配に用いられた犬種によるものであり、その交配相手の性質が性格にも大きく影響していると考えられます。
スムースヘアード
ビロードのような光沢があり、硬くて短い毛が密に生えている「スムース」。
3種類の中で最も歴史があり、原始的なダックスフンドの姿を残しています。性格は明るく好奇心旺盛で活発な傾向があるといわれています。
スムースヘアードの毛は短くて絡みにくいのでお手入れがしやすく、週に1〜2回程度ブラッシングすれば十分だとされています。
ロングヘアード
長毛で柔らかい毛の「ロング」。日本では一番人気のタイプです。スムースの次に起源が古いとされています。
スパニエルやセッターなどとの交配から生まれ、穏やかで優しい、温厚な性格の傾向があるといわれています。
ロングヘアードの毛は細く絡まりやすいため、なるべく毎日ブラッシングすることが推奨されています。
ワイヤーヘアード
硬くて密集した被毛をもつ「ワイヤー」は、特徴的な眉毛と口髭が魅力です。
シュナウザーやテリアと交配されたため、活発で気が強い性格の個体が多く、狩りでも特に活躍していたタイプです。
ワイヤーヘアードの硬い毛は伸びすぎると毛玉になりやすいため、毎日のブラッシングのほか、年に数回のトリミングが必要です。
ダックスフンドが気をつけるべき「椎間板ヘルニア」
ダックスフンドの最大の特徴である「短足・胴長」は、可愛さのポイントでもありますが、「椎間板ヘルニア」を起こしやすいことも忘れてはいけません。
ダックスフンドは短い足で長い胴を支えなければならないので、足や腰に負担がかかりやすくなり、椎間板ヘルニアになりやすい犬種です。
特に、段差の上り下りは腰に大きな負担がかかるので、高いところに飛び乗ったり、高いところから飛び降りたりさせないように気をつけましょう。
具体的な対策
段差の登り降りを極力減らすため、ダックスフンドを飼っている人や、これから飼おうと思っている人は、次のような予防策を参考にしてみてください。
- 家の中のソファやベッドに犬用の階段を付けて段差を小さくする。
- 家の中や散歩中の階段を登ったり降りたりするときは、極力抱っこをしてあげる。
- 適度な運動は必要だが、長時間の運動や激しい運動は避ける(散歩は1日30分くらいが目安)。
- 肥満になると足腰に負担がかかるので、体重管理に気を配る。
- フローリングの床は腰に負担がかかるため、滑りにくい床材にする。
https://cheriee.jp/articles/25882/
まとめ
今回は、ダックスフンドの歴史や体のサイズ、毛の長さによる性格の違いとその理由、さらに注意すべき「椎間板ヘルニア」についてご紹介しました。
ダックスフンドの性格が毛質によって異なると言われているのは、歴史の中で交配された犬種が異なることが原因だとわかりました。とはいえ、毛質による性格の傾向はあくまで一つの目安に過ぎません。実際の性格は個体によって異なり、犬の経験によっても変わることがあるので、参考にする程度に留めておいてください。
ダックスフンドを飼っている皆さんや、これから飼おうと考えている皆さんは、それぞれのダックスフンドに合った育て方を見つけていってくださいね。
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